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マンドラゴラ マンドレークについて

地域 北イタリア、旧ユーゴスラビア、南ヨーロッパ
俗名 マンドレーク(マンダラゲ) Mandrake Devil`s apple
学名 Mandragora officinarum
和名 <マンドラゴラの名前>
恋茄子(旧約聖書などで)
・まんだらげ→これはまちがい。まんだらけは『ダチュラ(朝鮮朝顔/別名
:気違い茄子)』のことこれがダツラDatura(チョウセンアサガオ)の別名である曼荼羅華(まんだらけ)をローマ字で書いた「Mandarake」に似ています。ですから、英和辞典なんかでは間違えて Mandrakeの訳を「まんだらげ」と書いてあるものも多いです。手元の英和辞典(小学館と旺文社)では、どちらも間違えているようです。語学の専門の方が植物学に詳しいわけもなく、過去には坪内逍遥氏訳のシェークスピア全集でも間違えられて訳されているそうです どちらもナス科の植物ですので、アルカロイドを含み、毒性が強いものです。
マンドラゴラは根、曼荼羅華は花や葉や種を薬用に使います。 見た目は全然違う植物ですし、英語の本ではこの両者を混同しているものを見たことは無いです。学名もDatura stramoniumと、Mandragora officinarum(あるいはM.vernalis)で全然違います。ダツラを曼荼羅華と書いて「まんだらげ」と読むのは日本だけでしょうから、これは日本人独特の間違いと言えるかも知れません。
・マンドレーク→イギリスでは(イギリス名は)マンドラゴラのこと、アメリカではメイアップルのことでこれがまぎらわしいですね。メイアップルも根っこに毒があり(また同様に薬効もあるらしい)根のぐちゃぐちゃとした感じが似ていることから混同が起こったのかもしれません。
・アルラウネ→とくにマンドラゴラの根っこのことをさします。
科・属 ナス科トマト、ジャガイモ、ナスなどがありますが、ベラドンナなども有名です
 極めて毒性の高いハーブで、根はパースニップ(さとうにんじん)に似て長く、人体のような 形に枝別れしている。葉はロゼットをなし、薄紫色の花がつく。花後、パイナップルの香りがする黄色い果実がなる。
またマンドラゴラは秋咲と春咲の2種あるそうですが、「植物の魔術」ブロス著によりますと、この植物に関する学者が混同し取り違えており、本当なら二つとも両性花であるのを雌マンドラゴラと呼んだ薬用種Mandragora officinarumは。南ヨーロッパに生育し、特にイタリアのカラブリア、シシリーで繁殖し、秋に花を咲かせるが春咲き種〔Mandragora vernalis〕は雄とみなされ、生育地も北のほうである。また、根も白っぽくて厚みがあり、花と葉も雌マンドラゴラより強烈で不快な匂いを撒き散らし、魔術師は好んで使うとあります。雌は医者が使っていたそうです。これを利用して世界最古の痲酔薬でもありました。また「ほんの少量で人
の羞恥心に変化を与え、幻覚や生々しい幻視をおこさせ、その倍量になると完全 に人を狂わせてしまう。増量すればたちまち死をまねく」とギリシャ時代からその有毒性が知られていたようです。
惚れグスリとして有名なマンドラゴラですが、聖書の創世記にも出てきているくらいに歴史のある薬草でもあります。
恋なすびと言われるだけあって、クレオパトラも使った媚薬なんだとか。多分、酒に混ぜて飲ませたりしていたんでしょう。
マンドラゴラの乾燥した根には魔力が宿ると信じられていて、ジャンヌダルクも「マンドラゴラの根を持っている」と言われて魔女裁判にかけられたそうです。
テオフラトスは、マンドラゴラの採取法を記してますが、「まず夕日にむかっておじぎをし、地獄の神々に崇拝し、一度も使っていない鉄の剣で三つの魔方陣をかき、それから耳を蝋で念入りにふさいでから犬をマンドラゴラにつなぐ。でないとマンドラゴラの叫び声で気が狂ってしまうからだ。そして遠くに肉片をなげて犬が引き抜くと犬は死んでしまう」とあります。それだけ価値のあるものだったのでしょう。そのため高価で取引されるため、ウリ科のブリオニアを使って偽者までつくりだし、今でもこのような偽マンドラゴラをみることができます。収穫は使用の都度「ヴィーナスの金曜日に犬を使って引き抜く」とか言われています 根 
薬(心理/薬理)・食物 ・ 繊維 ・ 染料・装飾
マンドラゴラは、その幻覚作用や催眠作用を利用して、儀式に使ったり、麻酔や催淫を目的に使われていたようです。ヒポクラテスはこれを麻酔剤と記し、ブリニウスも博物誌に 「その根をつぶして薔薇油やワインにひたしたものを目の治療に使った」「絞りたての根の汁は猛毒だが麻酔薬睡眠薬に使う」と書いています。
ダチュラとマンドレークの違いというのは、アルカロイドの組成の違いなんだそうで、ダチュラがほとんどスコポラミンなのに対して、マンドラゴラはスコポラミンの他にアトロピンやL-ヒヨスチアミンを多く含んでいるのだそうです。スコポラミンは、今でも医薬品に応用されているでしょう?あへんアルカロイドと混ぜて「オピスコ」という商品名の注射薬は、末期癌などの鎮痛に使われるし、スコポラミンの誘導体は鎮けい剤として胆石症の痛みを止める薬剤にもなっています。花岡青洲の使った通仙散にもダチュラが使われていたそうで、麻酔剤として使った歴史もあります。喘息の薬としても使われていたそうです。
ヒヨスやベラドンナの「魔力」の源となっているのも、これらと同じアトロピンや、スコポラミンや、ヒヨスチアミンです。目薬にも入ってます・・・。
だから、ナス科の植物には「魔女の草」と呼ばれているものが多いのでしょう。

mandrakejpg.jpg
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